テレビのアンテナ線に使う3つの機器は、役割が違います。分配器は同じ電波を複数のテレビやレコーダーに分ける機器、分波器は1本にまとまった地上デジタル(UHF)とBS・CSの電波を2つに分ける機器、ブースターは弱くなった電波を増幅する機器です。テレビを増やして映りが悪くなった時は、分配とケーブルで電波が弱くなっている可能性があり、ブースターで改善できる場合があります。
この記事では、3つの違い、分配器の選び方(通電)、ブースターが効く場合と効かない場合、4K放送の左旋に対応した機器をまとめます。
(確認元:DXアンテナ(NDXサポート)よくあるご質問「分配器と分波器は何が違うのですか?」「分配器と分岐器はどう違うのですか?」「1端子通電形と全端子通電形は何が違うのですか?」「分配器ご利用の注意点」「分配器、分岐器の性能表の見方について」「ブースター設置後にアンテナレベル値が変わらないときのチェックポイント」ほか、シャープ「4Kチューナー 4S-C00AS1」取扱説明書。確認日:2026年10月10日)
分配器・分波器・ブースター・分岐器の違い
| 機器 | 役割(DXアンテナの説明) | 使う場面 |
|---|---|---|
| 分配器 | UHF・CATV・BS・110度CSの信号などを複数に等しく分ける。2分配器、3分配器、4分配器…と呼ぶ | 1つの壁の端子から、2台目のテレビやレコーダーにもつなぐ |
| 分波器 | 1つにまとまったUHFとBS・CSの電波を2つに分け、テレビやレコーダーのそれぞれの端子につなぐ | 壁の端子が1つで、テレビの地上デジタルとBS・CSの端子が別々の時 |
| ブースター | 電波(テレビ信号)を増幅する | 分配やケーブルの延長で電波が弱くなった時 |
| 分岐器 | 入力から出力より、入力から分岐端子のほうが大きく弱まる。マンションなど集合住宅で使われることが多い | 各世帯の電波の強さをそろえる(家庭で買い足すことは少ない) |
テレビとレコーダーの両方で地上デジタルとBSを見る場合は、分配器で2つに分けたあと、それぞれに分波器を入れる形になります。DXアンテナも、分配の接続例で「BS放送と地デジの両方を見る場合は別途分波器が必要」と注記しています。
分配器の選び方:「全端子通電形」と「1端子通電形」
BS・110度CSのアンテナは、テレビなどから電気を送って動かします。この電気を通せることを「通電」と呼びます。
- 1端子通電形:分配器のどれか1つの端子だけが通電する。BSを見ないか、1台のテレビでだけBSを見るなら、これでよい
- 全端子通電形:すべての端子が通電する。複数のテレビで衛星放送を見る時に使う
DXアンテナは「分からない場合やBS放送を見たいなら全端子通電形を買っておいたほうが便利」と案内しています。
性能表の「分配損失」は、入力から出力までに電波がどれだけ弱くなるかの値で、数値が低いほど弱まりにくい、と説明されています。
ブースターが効く場合・効かない場合
DXアンテナは、卓上ブースターを使うとよい症状として、次の3つを挙げています。
- よく映っていたが、テレビやレコーダーを追加したら画面にノイズが出始めた
- アンテナケーブルを延長したら映りが悪くなった
- 時々画面がちらつく。天気が悪いと映りが悪くなる
一方で、BSアンテナの直下で見られない状態や、アンテナから離れすぎて品質が悪くなった場所では、ブースターの効果は得られない、とも説明しています。また、テレビが表示する「アンテナレベル」は電波の強さではなく受信品質(CN比)からの換算値なので、品質が改善しないと数値は変わらず、電波が強すぎると逆に悪くなる場合があります。
卓上ブースターは、壁のテレビ端子とテレビの間に置きます。地上デジタルとBS・CSが混ざった信号の場合は、ブースターの後ろに分波器が必要です(DXアンテナの説明)。
4K放送(左旋)を見るなら、SHマークの付いた機器
新4K衛星放送の一部は、新しい電波(左旋)で送られます。シャープの取扱説明書によると、左旋の放送は宅内の配線で高い周波数(2.2〜3.2GHz)に変換されて送られるため、この周波数を通せないブースター・混合器・分配器・壁のアンテナ端子・分波器は交換が必要です。交換する時はSHマーク(電子情報技術産業協会が審査・登録した、スーパーハイビジョン衛星放送の受信に適した機器に付くマーク)の付いた機器を使うよう案内されています。
ケーブルも同じで、シャープはBS・CSアンテナ用のケーブルにBS4K・110度CS4K対応のものを使うよう注意しています。DXアンテナの資料(1mあたりの減衰量の目安)では、BS・CSの左旋の帯域は右旋より弱まり方が大きく、太いケーブルほど弱まり方が小さくなっています(左旋で S-4C-FB 0.62dB、S-5C-FB 0.52dB、S-7C-FB 0.29dB)。配線が長い場合は、太さも選ぶ時の目安になります。
映らない時の確認の順番
次は一般的な切り分けの順番です(メーカーの公式の手順ではありません)。アンテナ本体の調整や屋外の工事は、販売店や電気工事店に相談してください。
- 分配器を外し、壁の端子とテレビを直接つないで映るか確認する(映るなら、分配や配線で弱くなっている可能性)
- BSが映らない時は、分配器の通電の種類(全端子か1端子か)と、テレビのアンテナ電源の設定を確認する
- 地上デジタルかBSの片方だけ映らない時は、分波器の端子(UHF側・BS/CS側)とテレビの端子の組み合わせを確認する
- 左旋の4K放送だけ映らない時は、アンテナと配線機器が右左旋・3224MHzに対応しているか確認する
集合住宅と戸建ての違い、契約前のアンテナの確認は衛星放送を契約する前のBS・CSアンテナの確認、テレビが映らない時の全体の見直し順はテレビが映らないときの見直し順にまとめています。
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まとめ
- 分配器は同じ電波を複数台に分ける、分波器は地上デジタルとBS・CSを分ける、ブースターは弱った電波を増幅する
- 複数のテレビでBSを見るなら全端子通電形の分配器を選ぶ
- 左旋の4K放送には、SHマークの付いた分配器・分波器・ブースターと対応ケーブルを使う


