インターネットの接続方式には、PPPoEとIPoEの2つがあります。PPPoEは網終端装置という設備を通るため、利用者が集中する時間帯に混雑しやすく、IPoEはこの設備を通らないため、混雑の影響を受けにくいとNTT東日本は説明しています。IPoEを使うには、IPv6(IPoE)に対応したルーターと、対応するプロバイダの契約が必要です。
この記事では、2つの違い、IPv4のサイトを見る仕組み、今の接続方式を確認する方法、注意点をまとめます。
(確認元:NTT東日本「IPoEとは?PPPoEやIPv6、IPv4との違いを比較」、BIGLOBE会員サポート「IPv6オプション」。確認日:2026年10月18日〜19日。NTT東日本の資料は法人向けのコラムで、事業者側の説明です。実際の速度の改善は、プロバイダ・時間帯・建物で変わります)
PPPoEとIPoEの違い
| 項目 | PPPoE | IPoE |
|---|---|---|
| 仕組み | 従来の接続方式。網終端装置(BRAS)を経由してインターネットにつながる(IDとパスワードで認証する方式であることは、一般的な説明) | 網終端装置を経由せず、VNE(仮想通信事業者)が設置するゲートウェイルーターを経由する。完全に直接的な通信というわけではない |
| 混雑 | 利用者が集中する時間帯に、網終端装置の処理能力が限界に近づき、速度が落ちることがある | 混雑する場所が少なく、速度が下がりにくいとされる |
| 標準の通信 | IPv4が標準。IPv6を使うには「IPv6トンネル方式」などの技術が必要 | IPv6による接続に標準で対応 |
| 必要なもの | 従来から使われている方式。網終端装置(ISP側)と、ルーターなどの通信機器(契約者側)が使われる | IPv6またはIPv4 over IPv6に対応したルーターと、IPv6(IPoE)に対応したプロバイダの契約 |
NTT東日本は、「夕方になるとインターネットが遅くなる」という体感の理由の1つとして、仕事や学校が終わった利用者が動画視聴などを一斉に使い、網終端装置に負荷がかかって混雑が起きやすくなる点を挙げています。
IPv4のサイトを見るための「IPv4 over IPv6」
IPoEは、IPv6での接続が標準です。IPv4のサイトを見るには、「IPv4 over IPv6」という仕組み(方式の名前は、MAP-EやDS-Liteなど。一般的な説明)が必要です。NTT東日本によると、2024年時点で、国内からアクセスの多い主要Webサイトのうち、IPv6に対応しているのは10.9%(総務省の調査)で、多くのサイトはIPv4で運用されています。IPoEを導入する時は、IPv4 over IPv6も使えるかを確認します。この仕組みを使うには、対応するルーターと、対応サービスを提供するプロバイダとの契約が必要です。
今の接続方式を確認する
NTT東日本は、IPv6 IPoEのつもりでも、実際にはIPv4で接続している場合があるため、現在の接続方式を確認するよう案内しています。Windowsでの確認の手順です。
- キーボードの「Windowsキー+R」を押して、「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「cmd」などでコマンドプロンプトを開き、「ipconfig」と入力して「Enter」を押す
- 結果に表示される「IPv4アドレス」「IPv6アドレス」を確認する。IPv6アドレス(例:2400:xxxx:xxxx:…)が表示されていれば、IPv6接続中。IPv4アドレス(例:192.168.x.x)が表示されていれば、IPv4接続中(「fe80:」で始まるアドレスは判定に使えません。IPoEかPPPoEかの最終的な確認は、プロバイダの案内で行います。一般的な説明)
Macでは、「システム設定」(または「システム環境設定」)の「ネットワーク」で、接続中のネットワークを選び、「TCP/IP」に表示される「IPv4アドレス」「IPv6アドレス」を確認します。ルーターの管理画面や、プロバイダの会員ページで確認できる場合もあります(機器やプロバイダで違うため、説明書を確認)。
プロバイダのIPv6サービスの例(BIGLOBE)
BIGLOBEの「IPv6オプション」は無料で、フレッツ光や光コラボ回線など、対象の固定回線サービスを使っている人向けです。次の点が公式サポートに書かれています。
- 対応機器を使うと、すべての通信がIPoE方式になる。対応機器がない場合は、IPv6に対応したサービスやサイトだけがIPoE方式になる
- ルーターを使わず、パソコンとONUなどを直接つなぐ方式では、IPv6通信を正しく使えない
- 一部の通信型ゲームなど、特定のポートを使うサービスや、複数の利用者でIPアドレスを共有すると使えないサービスは、IPv6オプションでは使えない。その場合は「IPv6オプションライト」を使う
- 申し込みから2時間〜1日程度で使える。追加料金はかからない(BIGLOBE提供のルーターは別料金)
注意点
- IPoEに変えれば必ず速くなる、というものではありません。NTT東日本の資料は「混雑の影響を受けにくく、より安定したインターネット接続がしやすい」という表現で、改善の程度は、プロバイダ・時間帯・建物の設備・端末で変わります
- ルーターが対応していないと、IPoEを使えません。市販のルーターは、IPv6やMAP-Eに対応しているかを、プロバイダの動作確認の案内で確認します(BIGLOBEは、MAP-E機能を搭載した市販機器でも、すべての機種で使えると保証するものではないと書いています)
- 通信が遅い原因は、接続方式のほかに、Wi-Fiの周波数や置き場所、LANケーブル、配信サービス側にもあります(Wi-Fiルーターの置き場所と2.4GHz・5GHz、LANケーブルのカテゴリと速度の目安、動画配信が止まる・遅い時の確認の順番)
回線やプロバイダを変える前に確認する、違約金・機器の返却・電話番号などの項目は動画配信が止まる時の光回線の見直し方にまとめています。
まとめ
- PPPoEは網終端装置を通るため混雑しやすく、IPoEは通らないため混雑の影響を受けにくいとされる
- IPoEには、IPv6(IPoE)対応のルーターと、対応プロバイダの契約が必要。IPv4のサイトには「IPv4 over IPv6」で接続する
- 今の接続方式は、WindowsならipconfigのIPv6アドレスの有無などで確認できる
- 改善の程度は、プロバイダ・時間帯・建物で変わる。保証されたものではない


