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映像と音がずれる時の確認|リップシンク・音声遅延の調整

テレビの映像と音がずれる時は、まず「どの入力で、どの機器を通した時にずれるか」を切り分け、そのうえで機器の遅延調整の設定を見直すのが基本です。調整機能の名前と場所はメーカーや機種で違い、同じ「ずれ」でも調整する機器が変わります。また、音が遅れる場合と音が先に聞こえる場合では、必要な調整が変わる可能性があります。向きは機器の説明書で確認してください。

この記事では、切り分けの順番、メーカー資料にある調整項目の例、Bluetooth接続での注意をまとめます。

(確認元:デノン AVR-X1800H 取扱説明書「音声の出力タイミングを調節する(オーディオディレイ)」、ヤマハ RX-500A 取扱説明書「リップシンクを設定する」・RX-V6A 取扱説明書、ソニー HT-A5000 ヘルプガイド「本機から出るテレビの音声が映像より遅れる」、ソニー テレビ ヘルプガイド「映像と音の遅れが気になる」、パナソニック Fire TV 搭載テレビ取扱説明書「HDMI設定をする」、TCL「TVの音の遅れを直すには?」。確認日:2026年10月29日。機種ごとに名称・範囲は違います)

ずれが起きる理由と、まず切り分けること

TCL の解説は、ずれ(リップシンクエラー)の理由として、映像と音声の処理にかかる時間の差、ハードウェアの処理速度の違い、再生機器やサウンドシステムの影響などを挙げ、一般に映像は音声より処理時間が長くかかると説明しています。

以下は一般的な説明です。映像の補正処理が長いと音が先に聞こえ、音声の側で処理が重いと音が遅れて聞こえることがあります。

次の表のように、どこでずれるかを分けて考えます(切り分けの考え方は一般的な説明です)。

ずれる場面 疑うところ 調整する場所の例
テレビのスピーカーでもずれる 放送や配信、映像処理 放送・アプリ側、テレビの映像設定
サウンドバー・AVアンプに出した時だけ音が遅れる 外部機器の音声処理、接続方式 まず機器側に遅延値が入っていないか確認(ソニー資料)。テレビに映像を遅らせる機能があればそちらも候補
特定の入力(ゲーム機、レコーダー)だけずれる その機器の出力設定、入力ごとの設定 その入力のテレビ設定、機器側の設定
Bluetoothスピーカー・ヘッドホンで遅れる Bluetoothの特性 テレビの音声同期設定

メーカー資料にある調整項目の例

デノン AVR-X1800H:オーディオディレイ

説明書では、リモコンの OPTION から「オーディオディレイ」を開く手順です。「オートリップシンク」はお買い上げ時の設定がオンで、オートリップシンク機能対応のテレビからの情報で、映像と音声のずれを自動的に補正します。自動補正で足りない場合は「調整」を選び、0〜500ms(お買い上げ時は0ms)の範囲で手動調整します。設定は入力ソースごとに記憶され、テレビによってはオンにしても自動補正されない場合がある、と説明されています。

ヤマハ:リップシンク

ヤマハの RX-500A の説明書では、「音声設定」>「リップシンク」>「自動/手動選択」で、自動補正(テレビで設定したリップシンクの値を適用)か手動補正を選びます。自動補正は、対応テレビを HDMI で接続している場合だけ選べます。補正値は「調整」で0〜500ms(初期値0ms)で、入力ごとにオンとオフを切り替える項目もあります。RX-V6A の英語版説明書にも「Lipsync」の項目があり、自動に対応していないテレビでは自動を選べない、と書かれています。

ソニー:サウンドバーの「ずれ調整」とテレビの A/V sync

ソニー HT-A5000 のヘルプガイドは、テレビの音声が映像より遅れる時の項目で、「音声と映像のずれ調整機能の設定値が25msec〜300msecに設定されていたら、0msecに設定してください」と案内しています。さらに「音源によっては音声と映像がずれることがあります。お使いのテレビに映像を遅延させる機能がある場合は、そちらをご使用ください」とも書かれています。つまり、音を遅らせる調整だけでなく、映像側を遅らせる選択肢もあります。

ソニーのテレビのヘルプガイド(英語版)には、HDMI ケーブルで特定のオーディオシステムを接続している時は映像と音の出力タイミングを調整できる、対応機種は同社のサポートサイトで確認する、という趣旨の記載があります(英語原文の要約です)。

パナソニック:入力遅延は「映像側」の設定

パナソニックの Fire TV 搭載テレビの説明書(65W95A のページ)の「HDMI設定」には「入力遅延(オート/低遅延/ノーマル)」があります。これは映像の描画遅延を切り替える設定で、ゲーム用に遅延を減らす時に使うものです。このページに、音声の遅れを合わせる項目は載っていませんでした。他の機種や他のページは未確認です。映像モードを「ゲーム」にしている時などは入力遅延が低遅延に固定される、と説明されています。

Bluetooth接続では遅れやすい

ソニーのテレビのヘルプガイド(英語版)は、Bluetooth オーディオ機器を接続した時に、Bluetooth の特性により音が遅れて映像と音が合わなくなると説明し(英語原文の要約)、[A/V sync]を[Auto]または[On]にするよう案内しています(メニューは「クイック設定」>[設定]>[ディスプレイとサウンド]>[音声出力]>[A/V sync]。英語版の表示名で、機種で違います)。無線の機器を選ぶ時は、動画を見る用途では遅延の調整機能があるかを確認してください。ワイヤレスHDMIでも遅延が問題になる場合があります。詳しくはワイヤレスHDMIの選び方で説明しています。

確認の順番

  1. テレビのスピーカーで同じ番組を見て、ずれが外部機器を通した時だけか確認する
  2. テレビと外部機器の電源を切り、電源プラグを抜いて1分以上待ってから入れ直す(TCL の案内)
  3. テレビと接続機器のソフトウェアを更新する(TCL の案内)
  4. ケーブルを挿し直す。HDMI や光デジタルのケーブルは、抜け・曲がりがないか確認する
  5. テレビの設定で「オーディオシンク」「オーディオディレイ」などの名前の項目を探す(TCL の案内。詳細な音声設定の中にあることがある)
  6. 音が映像より遅れている場合は、まずサウンドバー・AVアンプの遅延値が0以外になっていないか確認する(ソニー HT-A5000 の案内では25〜300msに設定されていたら0に戻す。テレビに映像を遅らせる機能があればそちらを使う)。遅延調整(リップシンク、A/V SYNC、オーディオディレイ)をどちらの向きに動かすかは、機器の取扱説明書で確認し、ms単位で少しずつ合わせる。向きの一般論は今回の資料では確認できていません
  7. 入力ごとに設定が記憶される機種では、ずれる入力で調整する

HDMI の ARC/eARC でつなぐ場合の確認はHDMIのARC・eARCとサウンドバーの接続、光デジタルの場合は光デジタル音声のつなぎ方、電源や入力が連動しない時はHDMI連動(CEC)の仕組みと設定で確認できます。ただし、接続方式ごとにずれの出方が違うかどうかは、今回の資料では確認できていません。

関連する機器の記事

商品記事の仕様欄では、HDMI の ARC/eARC への対応、光デジタル入力の有無、遅延を調整する機能の有無を確認します。テレビの音の聞こえ方から見直す時はテレビの音が聞き取りにくいときの改善順も参考にしてください。

まとめ

  • ずれが「外部機器を通した時だけ」かを先に切り分ける
  • 調整機能の名前は、オーディオディレイ(デノン)、リップシンク(ヤマハ)、ずれ調整(ソニー サウンドバー)、A/V sync(ソニー テレビ)など機種で違う
  • 手動の範囲は、デノンとヤマハの資料で0〜500ms。ソニー HT-A5000 は25〜300ms に設定されていたら0に戻す案内
  • Bluetooth は特性として音が遅れる。パナソニックの「入力遅延」は映像側の設定で、音を合わせる項目ではない