SDカードに印字された表示は、容量の区分(SD・SDHC・SDXC)と、書き込み速度の区分(UHSスピードクラス・ビデオスピードクラスなど)の2系統を、カメラの説明書に書かれた条件と照らすと読み解けます。数字が大きいカードを選べば安心、とは限りません。
この記事では、SDカードの主な表示の意味と、カメラに合うカードを確認する順番をまとめます。
(確認元:SD Association「SD Speed Class/UHS Speed Class/Video Speed Class」「Application Performance Class」「Bus Interface Speed Standards」の各ページと会長署名の解説記事(2016年3月)、富士フイルム「動画撮影の場合SDカードはどれを使えばよいですか」、ソニー「SDカードに4K動画を撮影したい(スピードクラスについて)」、ソニーのヘルプガイド、キヤノン(EOS M10)の対応カードのページ。確認日:2026年10月29日。個別のカメラで使えるカードは、説明書の記載を優先してください)
容量の区分:SD・SDHC・SDXC
SD Associationの表では、容量によって規格名が分かれています。区分ごとにファイルシステムも違います。
| 規格 | 容量 | ファイルシステム |
|---|---|---|
| SD | 2GBまで | FAT12、FAT16 |
| SDHC | 2GB超〜32GB | FAT32 |
| SDXC | 32GB超〜2TB | exFAT |
| SDUC | 2TB超〜128TB | exFAT |
カメラ側がどの規格まで扱えるかは、機種ごとに違います。たとえばキヤノンのEOS M10の対応カードのページには、SDHCは4GB〜32GB、SDXCは32GB〜2TBと書かれています。また、ソニーのアクションカム(FDR-X1000V/HDR-AS200V)のヘルプガイド(英語版)には、使えるのはmicroSD系のカードで容量は64GBまで、という趣旨の注意書きがあります(英語原文の要約で、アクションカムの話です)。機種によって容量の上限が違う例といえます。購入前に、容量の上限を説明書で確認します。
速度の区分:クラスの種類と読み方
SD Associationは、速度の区分に「Speed Class」「UHS Speed Class」「Video Speed Class」「SD Express Speed Class」の4種類があると説明しています。いずれも、決められた条件での最低限の連続書き込み性能を保証する表示です。協会会長の解説は、最大速度よりも、性能を保てる最低速度(minimum sustained speed)を重視するよう勧めています。
| 表示 | 意味 | 資料に書かれている内容 |
|---|---|---|
| C2・C4・C6・C10(SDスピードクラス) | 数字が最低書き込み速度(MB/秒) | ソニーの解説:数字が最低書き込み速度。4なら1秒あたり4MB |
| U1・U3(UHSスピードクラス) | UHS対応機器で動画を記録する時の最低書き込み性能 | 協会:U1は10MB/秒でSpeed Class 10と同等。富士フイルム:U3は最低30MB/秒 |
| V6・V10・V30・V60・V90(ビデオスピードクラス) | Vの後ろの数字が最低転送速度(MB/秒) | 富士フイルム:V30・V60・V90はそれぞれ30・60・90MB/秒の最低保証 |
| A1・A2(Application Performance Class) | スマホ・タブレットでアプリを動かす時の、ランダムアクセスを含む性能 | 協会:Android端末でカードを内部ストレージのように使う場合に関係。動画記録用の表示とは別の系統 |
カードのどこを見るかも押さえておきます。ソニーの回答では、SDロゴの横の「Ⅰ」がUHS-I規格を表し、Uのようなマークの中の数字(1か3)がUHSスピードクラスです。UHS-I/UHS-IIは「インターフェース(通信方式)」の区分で、U1・U3は「書き込み速度」の区分と、別の表示です。
協会の対応表では、V60・V90はUHS-IIとUHS-IIIのモードの欄に載っています。UHS-Iのモードの欄にあるのはV6・V10・V30までです。そのため、V60やV90のカードを使いこなすには、カメラ側もUHS-II以上に対応している必要があります(表からの読み取り。個別機種は説明書で確認)。
カメラ側の条件と突き合わせる
必要なカードの速度は、カメラの動画設定で変わります。メーカーの案内から例を挙げます。
- 富士フイルム:動画撮影にはUHSスピードクラス3以上を推奨。4K・8K動画ではUHSスピードクラス3、ビデオスピードクラスV30以上、設定によってはV60以上を推奨しています。ビットレート400Mbpsを選ぶとV60以上、720MbpsではV90以上(UHS-II)が必要だと書かれています
- ソニーのハンディカム(FDR-AXP35の質問への回答):XAVC S 4K/60Mbpsの設定ではSDスピードクラス10のSDXCカードで撮影でき、100Mbpsに設定する場合はUHS-Iのスピードクラス3以上が必要と案内しています。同社のアクションカム(英語版ヘルプ)では、XAVC Sの動画にClass10より速いSDXCカードを求めており、機種で要件が違います
- SD Association:4K動画を撮れるカメラは、UHSスピードクラスのU3か、V30〜V90を使える。ただしフレームレートが高い(60〜120fps)場合は、より速いカードが必要になる可能性が高いとしています
ソニーの解説には、カードの表面にある「94MB/s」のような数字は、UHS-I対応機器で使った時の最大書き込み速度を表す、という説明もあります。この数字は最低保証ではありません。また、UHS-I規格のカードはUHSに対応していない機器でも使えますが、その速度は生かせないとも書かれています。協会も、機器が対応する最も速いインターフェースに合ったカードを使うと性能を引き出しやすいとしています。
確認の順番
- 説明書の「使用できるメモリーカード」の欄を開く:規格(SD・SDHC・SDXC)、容量の上限、動画に必要なスピードクラスが書かれています。説明書は、メーカーのサポートページで機種名から探せます
- 動画の設定を決める:解像度(4Kなど)、フレームレート、ビットレートで必要なクラスが変わります。使う設定の条件を探します
- カードの表示を読む:容量の規格のロゴ、U字の中の数字、Vの数字を確認します
- 最初にカメラでフォーマットする:富士フイルムのFAQには、フォーマットせずに使うとカードの既定の転送速度が出ず、動作が遅くなる場合があると書かれています(フォーマットでデータが消えるため、中身は先に保存します)
- 2種類のクラスを混同しない:ソニーの解説は、SDスピードクラスとUHSスピードクラスは互換性のない別の規格だと説明しています。Cの印とUの印を見分けます
カードの表示と機器の条件は、どちらか一方だけでは判断できません。ソニーのヘルプガイドにも、すべてのメモリーカードでの動作は保証されないという注意書きがあります。
画素数とカードの容量の関係は、デジカメの「6400万画素」「8K」表記の読み方で説明しています。
関連する機器の記事
メモリーカードの対応は、商品記事の仕様欄や、メーカーの説明書で確認します。
まとめ
- 容量はSD・SDHC・SDXCで規格が分かれる。カメラが扱える規格と容量の上限は、説明書で確認する
- 速度の表示は最低書き込み速度が基本。U3は最低30MB/秒、V30・V60・V90は最低30・60・90MB/秒(富士フイルム)
- パッケージの「〇〇MB/s」は最大速度のことがある。最低保証の表示と区別する(ソニー)
- 動画の解像度・フレームレート・ビットレートで必要なクラスが変わる。使う設定の条件を説明書で探す


